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2004/06/27

2004.06.27 虎の尾

 午後には青空ものぞいて最高気温も30℃を超え、蒸し暑い日曜日。ここ4~5日来店客数も上向いていて、ちょっといいムードになってきたのかなぁと思って迎えた日曜日だったが、やっぱり流れはまだまだ街のお化粧品やさんには向いていないようだ。

 この週末は、昨年近くにできたイオンのショッピングモールが1周年セールをしている。(もう1年になるんだなぁ)大型のドラッグチェーンはポイント2倍デーを毎月最終週へとシフトしてきて大きな折り込みチラシを入れていた。加えて、まずまずのお天気となればレジャーにも足が向くのだろうし、そんな消費者の大きな流れをうちの如くちっぽけな街のお化粧品やさんに向けるのは至難の業といえる。

 こう書いているわたし自身が、きょうは近くのお酒ディスカウントのお店に出かけて、お値打ち価格となっている「発泡酒」と最近出はじめた「リキュール類」に分類される発泡酒プラス麦焼酎のお酒を買ってきている。毎日飲むものだから「少しでも安く」買いたいと思うのだ。ということは、化粧品を買うお客様も同じで、毎日使うものだから、同じものであれば安く買えたほうがいいに決まっている。うちのような街のお化粧品さんでしか買えないものを品揃えしたり、小さなお店だからこそできるサービスを提供していくことで、「お金で買えない価値」を打ち出そうとはしているのだけど、やっぱり価格訴求のほうが消費者には容易に受け入れられるのだろうと思う。

 われわれの所属している化粧品店の団体でも、今後あるべき方向としてこの「価格問題」に踏み込もうとしている。昔、「定価販売」することを法的に守られてきたこともある業界だし、今のように販売チャネルが多様化する前は、メーカーもわれわれの販路をもっとも重視してくれたし、その傘の下で守られて比較的に「楽に」商売をしてこられた業態なので、多くの経営者がかなり高齢化していることもあり、この問題に正面切って踏み込むと抵抗が大きそうだ。頭ではこのままではいけないとわかっていても、いままでやってきたことを変えることには相当な覚悟が必要だから・・・。「どうせ、後継者もいないし、このまま細々とでもやっていくからいいよ」という声が聞こえることは想像に難くない。敢えて「虎の尾」を踏むことはないと・・・

 表題の「虎の尾」、野球のほうの虎は昇り龍の前では踏んでも危険じゃない尾になってしまったようだ。

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