2004.08.30 日本縦断
明け方、窓をたたく雨音で目が覚める。いよいよ台風の影響がでてきたのかと思っていると、さぁ~っと日差しが差し込んできたりする。走りに出たらきっとどこかで雨のシャワーの洗礼を受けることになるだろうと断念して、テレビの台風情報にチャンネルを合わせる。台風のニュースより驚いたのは男子マラソンの首位をいく選手に飛びかかるように出てきた観客の映像。なんでもこの人はF1グランプリでもコースに進入して逮捕されたことがあるのだとか・・・。
さて、台風は夜中に日本海を北上していくようだ。このケースだとまず今夜の夜行は運休になるだろう。そこで、予定変更で朝イチに直江津のホテルの予約を入れる。19時名古屋発の「しなの」で、長野乗り換え、信越本線の普通列車で23時40分には直江津までたどり着ける。ここまで行けば、めざす柿崎は近い。最悪、タクシーを飛ばしてもなんとか行ける距離だ。きょうの会議がなければもっと早く出られて、母の実家にお世話になれたのだがやむを得ない。米原からの夜行急行でB寝台をとることを思えば、素泊まりのホテルと変わりがない。ゆったり足を伸ばして眠れて、朝にはシャワーも浴びられるとなればこれも悪くはない。
夕方、JR西日本のサイトで、夜行急行「きたぐに」の運休を知る。早めに予定変更しておいて正解だった。ただ、台風の進路に向かって飛び込んでいくかたちになるこの経路が無事線となってつながってくれることを祈るばかりだ。予定では直江津にたどり着くのは台風よりわたしのほうが先のはず。
名古屋からの「しなの」、自由席は満席になったけれど、なんとか窓側の席を確保できた。岐阜県に入って恵那・中津川を過ぎ、長野県に入ってしばらくの間は雨が降っていたが、松本を過ぎたあたりからは雲間からまあるい月がのぞいている。長野からの信越本線最終普通電車は6両もつないでいるのに、一車両に数人しか乗っていない。なんか非効率な感じ。そのおかげでゆったり足を伸ばしてノートパソコンのキーを叩いている。飯山線が分かれていく豊野を過ぎた22時20分、まだ雨は降っていない。直江津まではまだ1時間以上かかる。昼間なら妙高の山並みも楽しめるのだろうけれど、夜の車窓はだんだん人家の灯りもまばらとなってきて、漆黒の闇へと突き進んでいく。
22:50 妙高高原駅。雨が降りはじめた。車内に乗客は2人。軋むような音を立てながら標高を上げてきた電車が少しずつ下りはじめた。複線だった線路が単線になったようだ。この乗客数、この運転本数なら当然だろう。
23:06 二本木駅。電車がホームに停まったあと一旦バックして直江津方面に向かうというなかなかめずらしい構造の駅。ひとり高校生が乗ってきて、さっき関山から時刻表片手に乗ってきた「青春18キップ」しています風の若い男の子を含め車内は現在4人。雨は止んでいる。
23:23 南高田駅。茶髪、ピアス、ジャージのおにいちゃんが乗ってきた。雨は降っていない。あと直江津まで14分。
23:26 高田駅。久々にネオンが駅前に輝いている上越市の中心の駅。向こう側のホームに「日本三大夜景 高田公園」という看板が立っている。その看板の前を2人の若い女の娘が走ってくる。さすが、田舎の最終電車、そのふたりが階段をわたってこちらのホームに来るのを待つやさしさがあった。
23:32 春日山駅。さっき電車を待たせた2人のおねえちゃんと青春18キップくんが降りていった。そして、終点直江津に定刻通り電車が滑り込む。蒸し暑さはあるが雨は降っていない。駅前のホテルにチェックイン。フロントマン氏曰く「全然雨は降っていませんしいいお天気で暑い一日でした」とのこと。これからかなぁ・・・。早く寝ようっと。