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2004/09/18

2004.09.18 最大限の努力

 「最大限の努力をする」・・・たったこの一言のために、今夜はプロ野球の結果を楽しみにすることができなくなってしまった。それぞれに言い分はあろうが、あまりに淋しい幕切れだった。

 「善処する」ほど空虚ではないけれど、「最大限の努力をする」という言い方だって「一生懸命努力してみるよ、でもダメな場合もあるから、その時はゴメンね」ということであって、期待はもたせるものの確約するものではない。「誠意を持って対処する」ことと「最大限の努力をする」ことの違いがわからない。現にきのうの記者会見で球団側の代表となったロッテの瀬戸山球団代表は、記者団との一問一答になった時、「野球協約には球団の新規加盟申請については30日以内に審査をすると書かれていること」についての質問に対して、「それは迅速に厳正に対処することに最大限努力する」と答えて、記者が「さっきは最大限の努力はできないと言ったじゃないか」と突っ込むと、「さっきの最大限の努力と、この最大限の努力は違う」と答えて失笑を買っていた。

 結局のところ、とにかく球団数が減らして1リーグにして、客もテレビの放映権料も入る巨人とのカードをやりたいパリーグの球団と、巨人戦という既得権を手放したくないから2リーグ制が望ましいと思っているセリーグの球団のそれぞれの自分勝手な思いに振り回されているだけのように思われる。ことしの低視聴率などをみれば、いつまでも巨人戦がドル箱でありつづけるとは思えないのにもかかわらずである。日替わりでプレーオフ進出の3位の座を争っているロッテと日ハムだが、先日の千葉マリンスタジアムでのロッテ地元最終戦は35000人の大入り満員となったし、北海道に本拠地を移転した日ハムも東京ドーム時代とは比べものにならないくらい観客が入っている。自助努力の余地はまだまだあろうというものだ。

 先週のストが回避された時の合意事項「セリーグ6球団以上、パリーグ5球団以上」をそのまま正直に受け取れば、ライブドアの新規加盟申請の提出や楽天の参入表明は歓迎こそすれ、「時間的に無理」などと言えるはずのないことなのだが、本音は違っていたということだ。やはり先週の時点で、こんな甘言に気持ちをぐらつかせることなく敢然とストに打ってでるべきだった。

 ライブドアも楽天も、今までIT関連企業を次々買収して業容を拡大してきたのだが、今回ばかりは少々勝手が違うかもしれない。今の時点で、球団名はおろか、監督・コーチだけでなく選手も決まらないという状況は、年が明けて2月にはキャンプインという球界のスケジュールからしたら常識的には無理な話に思える。これを持ち前の行動力とスピードで克服するのかどうか「お手並み拝見」だし、これに対して既得権「命」の球団側が、本当に「誠意を持って審査」するのかも見物だ。ところで、素朴な疑問なのだが、ライブドアがプロ野球に新規加盟申請をしたのだけど、これってパリーグに所属することを前提に申請したわけじゃないと認識しているのだけど、間違っているだろうか。「パリーグに参入予定」との表現はあるけれど、みんな一様にこの申請が認められればパリーグが6球団になると決めてかかっているようだが果たしてどうなんだろう。ライブドアや楽天がセリーグに所属したいと言ったらどうなるのだろう。

 一字一句に誤りがあってはならじと、用意された文書を読み上げた瀬戸山代表の後を受けて、まずは「ファンへのお詫び」から、じぶんのことばで語りはじめた古田選手会長。その後のテレビ出演では、涙ながらに「苦渋の決断」を語った。ストを回避できなかったことに責はあるものの、今、日本でいちばん「男を上げた」のは古田敦也だろう。

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