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2007/03/02

2007.03.01 気持ちに幅

 高田馬場を出た山手線内回りの電車が、新大久保の手前で急停車した。即座に「近くを走る列車から緊急を知らせる無線信号が・・・」とアナウンスが入る。その後ろで各列車に安全を確認しているらしい運転指令からの無線連絡の声が聞こえてくる。緊迫感は感じないが臨場感はある。5分ほど停車したあと「安全が確認されましたので間もなく運転を再開します」とアナウンスが入り、警笛を一回鳴らすと静かに動き出した。

 遅れた影響で新宿駅からはちょっと混みあう。代々木を出てすぐ「急停車します」という自動アナウンスが入ってつんのめるように電車が止まる。わたしの下車駅原宿はすぐそこなのに。「連絡によりますと原宿駅で人が線路内に立ち入ったということで、現在確認をしています。運転再開までしばらくお待ちください。」とアナウンスがはいる。

 ドア近くに立っていた女性が携帯電話を取り出した。「あ、今山手線の電車に閉じこめられています」と、会社に遅れることを連絡しはじめた。「それから、○○さんに社長にだすお茶を頼んでおいてください。」とつづけたので、ちょっとイライラ感があったまわりの空気がふわっと和む。それを潮に、専門学校の生徒さんも、べつの女性もと、あちらこちらで電話がはじまる。

 7分ほどで運転再開。原宿駅着は両方の遅れをあわせていつもより13分遅れ。延着証明を受け取る人たちの列が改札にできていた。みんなギリギリで動いているんだなぁ。余裕たっぷりのわたしは、この程度の遅れには焦ることはない。本を読む時間が長くとれて有意義(?)だったような気もするくらい。でも、いつもより1時間早く出社しなくてはいけない(全体朝礼がある)あしただったら、少しは焦ったかな。

 けさから長嶋有の「ジャージの二人」を読みはじめている。どんな展開になっていくかわからないけれど、父親と息子(おとなだ)がそれぞれの妻を東京に残し、夏の終わりの山荘で時計の針に追われることのないゆったりとした(ダラダラとした)時間を過ごしている。「じぶん探し?」「現実逃避?」・・・今は話のゆくえがどうなっていくかわからない。

 山荘の暮らしに必要な薪をつくる作業のくだりで「50cmぐらいにね」と「ぐらい」を強調する父親のことばが出てくる。1本の木をのこぎりで切っていくのだが、50cmにこだわっていると最後に30cmとか20cmとかのハンパな木ぎれができて束ねるのに困るということだ。「最初から40から60cmぐらいのつもりで。気持ちに幅を」と語られる。「気持ちに幅」か・・・。10分そこそこの遅れで延着証明に長い列ができるのって、なんかやっぱり「幅が足りない」感じがするなぁ。

 今夜は作戦会議。ここはみんなで「気持ちに幅」だよ・・・って、今夜のところは思っているが、果たしてあしたはどうなるか。今夜は22時50分退社。帰りはうまく乗り継げず、自宅のドアを開けたら23時52分。さぁ、あした!


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