2007.10.24 何故「走る」
きょうも秋晴れ。清々しい朝の空気の中、燃えるゴミをダストボックスに放り込んでから、駅への道を行く。きのうとおなじ有楽町線の電車だったが、たぶん2本前の東武東上線からの乗り入れ電車が遅れたのだろう、玉突き式に少しずつ遅れているようだ。そして、きのうより込んでいる。きょうで読み終えられるだろうとトートバッグから取り出した三浦しをんの「風が強く吹いている」だけど、ページを開くスペースがなく、胸の前に抱えたまま池袋駅に着いてしまった。
山手線も何故か込みあった。そこで微妙に遅れたことで、千代田線も遅れている小田急線からの乗り入れ電車に乗り合わせることに。こちらは、ハンパな込みかたではなく、本を開くなんてとてもとても・・・。足の置き場にも困るくらいだ。結局、往きは1ページも読めないまま会社に入る。
本日は来訪が1件、夕方には新宿西口まで往訪にもでる。駅へ向かうサラリーマンの流れに逆らうように往訪先に向かう。夕方の新宿は久しぶり。さすがという人の多さに、ちょっと眩暈がしそう。毎日この人いきれの中を通勤というのは苦痛だろうな。
本日は22時02分退社。今夜はまだ数人が机に向かっていた。帰りの電車は本をひろげられる。氷川台までずっと読み続けたが、最後数ページが残った。煮魚の夕食をすませた後、読み継いで読了。
2度読んだ佐藤多佳子の本屋大賞受賞作「一瞬の風になれ」は、高校生の話だし、短距離ランナーの話だから、「走る」話といっても微妙に感じるものが違う。「風が強く吹いている」は、大学生の話。10人しかいない素人集団が箱根駅伝(10区間ある)に出場するという「あり得ない」話ではあるが、長距離ランナーの思いはとてもよく書けている。そして「一瞬の風になれ」の高校生からさらに数年間、時を重ねた大学生だけに、その間に抱え込んだそれぞれの事情が厚みをもって語られる。歩んだ道は平坦ではないので、さわやかさよりも苦みと厚みを感じる。
「なんで走るの」と尋ねられたときの答えがここにある。つまるところ「ゴール」がひとつではないということなのだろう。時計をしなくなり、順位や記録にこだわらなくなってから感じられるようになった今の「楽しさ」も走ることのよろこびだし幸せだけど、かつて1分1秒を縮めることが目標だった頃の走りもよろこびだったし幸せだった。走ることはつまるとこと、自分の心身とまっすぐに向き合うことなんだろうな。でも、たまには「ひとり」「ひとり」の「ゴール」をつなぎあわせる「駅伝」もいいなぁと、思わせてくれた1冊だった。
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