2007.11.24 目の保養心の休養
まだ明け切らぬ朝6時に起床。なんでも八百万の神々が出雲にお揃いになる神無月のうち、きょう24日に来年のお願い事をしておくと、出雲に届き叶えてもらえるらしい。そのためには6時には起きて、部屋の空気を入れ換え、ちゃんと着替えた上で朝の光を浴びておかなくてはいけないという。ふだん神様など意識をしているわけではない癖に、なんかそんな言い伝えを聴くと、にわかに「神頼み」をしてみたくなるのは日本人的、かつ小市民的発想か? 雲ひとつない青空に朝日が昇ってきて、とても清新な気持ちになる。それだけでも早起きの甲斐はあったというもの。
風もなく日中は寒さも和らいだ行楽日和に誘われて妻と出かける。まずは、名古屋市が管理するようになってことしから一般公開されている「揚輝荘」へ。名古屋の名家「伊藤家」(残念ながらうちではない)、つまり松坂屋の創始者一族の別邸が、この揚輝荘だ。完成した昭和14年頃には、約一万坪の敷地に30以上もの建物があったとかで、名古屋有数の高級住宅地「覚王山」の高台に威容を誇っていたという。その敷地内には舟遊びができる川が流れ、野外音楽堂も弓道場もあったというから、その規模が想像できる。
木造建築物ながら、1階が洋風、2階が和風とミックスカルチャーなハイカラな建物や、修学院離宮の千歳橋を模したという亭橋が池にかかる庭園などが公開されている。名家といえどもさすがに持ちこたえられなくなったのだろう、どんどんと土地を切り売りしてきたらしく、その庭園のすぐ南側にマンションが建ってしまい、鬱蒼とした木々で昼なお暗いというわけではなく、マンションに陽射しを遮られて明るく輝かないという状況になっている。
そして、百貨店業界の厳しさがあってかどうかまでは伺いしれないが、維持管理も支えきれなくなったのだろう、名古屋市に寄贈され、NPO法人が維持管理を行っているようだ。松坂屋はつい先ごろ大丸との経営統合により、持株会社「J.フロント リテイリング」が設立されたばかりだ。これって、かつて東海銀行がUFJ銀行となり、その後三菱東京UFJ銀行となっていった経緯と同じく、名古屋人にしてみればかなり屈辱的なことなのだろうなぁ。
池下のちょっと評判のレストランでランチをしたあと、JR中央線で定光寺に向かう。臨済宗のこのお寺は、紅葉の名所としても有名(らしい)。ひとつ手前の高蔵寺までは、名古屋のベッドタウンらしく、住宅が建ち並ぶ風景がつづいたが、高蔵寺を過ぎると一気に「里山」の風情となる。駅は川沿いの斜面にへばりついたような無人駅。そこから10%をこえる勾配の坂道を一気に上り、さらに160段余の石段を上ると、微妙に色合いの違う紅葉が晩秋の陽射しに輝いていた。
自営業時代には旬の季節に旬の風景を見るということがほとんどなかったので、定光寺もはじめてなら、紅葉狩り(というほど大げさではないが)もはじめてだ。心配していたほど人でごった返していたわけでもなく、目の保養と心の休養にあてられた。本日は小市民的幸せを感じた一日だった。
そして、夜は名古屋に帰ったときの定番の「心の休養と気持ちの充足」(肝臓には負担をかけそうだけど)の時間を過ごすことにしている。ただし、今回はあしたが親戚の法事なので、カラオケでオールとはいかないし、深酒も慎まなくちゃと「今は」思っている。
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