2007.12.18 劣等意識
晴れて放射冷却が進んだのかけさは冷え込んだ。アラームが鳴る前に寒くて目が覚めた。今夜は薄い肌掛け布団をもう一枚内掛けにしたほうがいいかな。
きのうから通勤のお供の本が池永陽の「国境のハーモニカ」になった。朝の出勤途中、これから気持ちを高めて1日を過ごしていこうという時間に読むには、重く哀しく辛い。極貧の中学生の時に、在日朝鮮人の娘を裏切った経験のある主人公。現代の彼の働く鋳物工場では外国人労働者が働いている。
人は知らず知らずのうちに、じぶんより弱いものを見つけては心の安静を保とうとしている。人は等しく同じ「いのち」を与えられるというのは理想論であって、残念ながら、生まれながらにして、格差が歴然として存在している。わたし自身は「中の下」くらいの階級と思っていて、それが悔しくはないし、上流と呼ばれる人たちの暮らしはうらやましくない。
貧しい人たちの暮らしをよく知るわけではないが、その人たちと較べてじぶんが優れているとはおもわない。たまたまこのクラスに生まれただけで、じぶんの努力の賜物ではないからだ。だから、下の階層と思われる人たちを馬鹿にしたり、蔑んだりする気持ちはさらさら無い。
この小説の中で、外国人労働者に向けて、日本人がいかにもワンランク上の人間であるかの接し方をしているくだりがくりかえし出てくる。「弱い者たちがさらに弱い者たちを叩く」というブルーハーツの「TRAIN TRAIN」が頭の中で鳴っている。そう、弱いからこそ、見えない鎧で身を包んで「虎の威を借る狐」でいるのだろう。弊社のようなベンチャー企業ではあり得ないが、スーツの衿のバッチが威力を発するような企業では地位が力と勘違いしている人間もいることだろう。。こういう人たちから肩書きとバッチを取り除いたら・・・なんてことも考えたりした。
じぶんに自信がなく、劣等意識があるから、ついつい見栄を張る。というくだりは、ちょっと理解できるが、ひどく哀しいことだと思う。
本日の退社も23時。決してサボっているわけではないのだが、なかなかたまった仕事が片づかない。あたらしく手がけたい案件もあるのだが、なかなかその緒につけない。でも劣等意識はない。
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