2008.03.07 鎮火報
けさのめざましテレビの星占い、おひつじ座は最下位。思わず「あ”~ぁ」って声をもらす。ラッキーポイントは「白い服」というので、急遽予定を変えて白いセーターを羽織って出かける。
星占いがよくないからといって、斜めに世の中を見ていたわけじゃないけれど、けさは本を読む視線の先にちらちら見える些細なできごとにこころがざらざらとする。山手線、池袋から乗り込んだ小柄な中年男性、わずかなすき間をこじ開けるようにビジネスバックを押し込んでいく。そこに立つ人をうまく押しのけて窓際に立とうとしているのだろうけれど、なんだかせこい感じがした。後ろ姿だけで顔は見えないけれど、朝から「疲れ」と「哀しさ」を感じさせる背中だった。
明治神宮前からの千代田線。前に立つ女性が長い髪を振った。手にしていた文庫に髪があたって、開いていたページが閉じそうになる。何かが髪に触れたのを感じたからだろう、くるっとふり返ったその女性、あやまる目線かと思ったらこちらをにらんできた。文庫を開くのが人迷惑となるような混みかたじゃないんだけどな。
まわりに思いが至らず、じぶんのことしか考えられない・・・ちょうどそんな輩が出てくるくだりを読んでいたからかなぁ・・・。朝からこのざらざらした気持ちはどうも冴えない。
そのせいでもないが、本日は21時15分退社。みんな上がりが早くて、20時40分にはもう最後のひとりになっていたこともあるし、相手先と話ができないのでこれ以上粘っても進展が望めないということもある。
氷川台に着くところで、日明恩の「鎮火報」を読了。600ページほどの長編だったが、途中でだれることなく読み進めることができた。行きがかり上消防士になったものの、早く事務方に異動になって9時~5時の安定した生活をしたいと考える、20歳の新米消防士が主人公。これまで内幕ものといえば警察ものが多く、ほかに銀行ものも読んだけれど、消防の内部事情がここまで事細かに綴られているのははじめて。「へぇ~っ」と驚く業界話が満載。
主人公を父親の目線で見るかたちになる。クサい言い方だけど、その成長にほほがゆるみ、うるうるさせられる。とはいっても、説教くささは全くない青春小説という趣だ。ちょうど「池袋ウエストゲートパーク」シリーズのようだ。そういえば、舞台はうちからほど近い赤羽。となりの板橋区の地名もいろいろ出てきて親近感を覚える。
仕事だからあたりまえと「消防」という仕事をついつい軽んじてしまうわれわれに問題提起したり、不法就労の外国人の問題なども盛り込まれている。読み応えはあるが重くはない。
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