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2008/05/01

2008.04.30 不器用な人生

 おなかの調子もなんとか元に戻り、けさは6時40分にスッキリ起き出せた。このところ目覚めるときがいちばん症状を感じる胸の痛みもけさはかなりおさまっていた。このまま快癒となるかどうかは何ともいえないけれど、油断はしないようにしよう。

 営業日だった月曜日にお休みをもらっていたので、仕事が「山」かも・・・と覚悟していたが、思ったよりすんなりと業務に入れた、助かった。きょう午後はオフィスのプチレイアウト替え。担当として配置を考えた立場として、机上の空論に終わらないかと危惧したが、床を這うコードと電源の関係で少しだけずれたが、ほぼ予定どおり。みんなが一斉に仕事の手を休めて動いてくれたので時間的にも無駄なく終えられたし、以前よりもいい感じだという評価もいただき、ホッと一息。一節には「田舎の役場みたい」と言われてもいる。

 きのうの名古屋からの帰りときょうの往復で、浅田次郎の「霧笛荘夜話」を読了。浅田次郎の語り口はいつもやさしくてしみる。それぞれが訳ありで、どちらかといえば世の中から見捨てられたように歩む何人かの人生が語られる。ふつうからしたらハッピーエンドではない結末を向かえる人生もあるが、それに対して向けられている視線もあたたかくやさしい。「勝ち負け」だけで人生は語れない、お金でしあわせは買える、でもお金で買えないものもたくさんある。不器用だけど「いいやつ」がこの本にはあふれていた。

 お金がなくてもしあわせ!と言うのも程度問題だろう。人間として生きていくためにはやはり最低限のお金は欠かせない。けさの朝日新聞1面トップの見出しは「39歳 全財産100円」だった。細切れの雇用に甘んじてきた結果、正社員に着くことがむつかしくなっている人たちが多いという記事、その気になれば職自体がないわけじゃない、選り好みをしているからだと指摘する人も多いが、現実はどうなんだろう。はたらくことができることに感謝しきりだ。

 そんなことを考えながらの氷川台駅からの帰り道、少し先に持ち手の長いバッグが地面にこすりそうに歩いている人がいた。追い抜きざま何気なくそのバッグの正体を見てぎょっとした。バッグと思ったのはじつは「犬」だった。犬の足が宙をかいていたから、これは散歩とはいえない。年配の男性だったが、どういう事情があるのだろう・・・。その不思議さを考えていると、その思索を一刀両断する大きな音をたてて、狭い住宅街の道を前方からやってきた二人乗りのバイク2台が走り抜けていった。

 ふと「人生いろいろ」のメロディが頭に浮かぶ。いろいろな人生があってよいが、わたしとしては、人に迷惑をかけるような人生にだけはしたくないもの。

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