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2008/05/29

2008.05.28 嘘

 気持ちのよい五月晴れはいよいよきょう限りらしい。九州南部は梅雨に入ったというニュースも入ってきた。屋外の仕事でも、外回りの仕事でもないが、やっぱりじめじめした梅雨は好きになれないな。「降るなら降る」という潔さがあるといいんだけど。

 不祥事に潔くなれないのは人の常だが、そこで、人としての真価が問われる。きょう「船場吉兆」の廃業のニュースが入ってきた。あの囁きで有名となった現社長は、きょうになって「もはや吉兆という暖簾を用いて営業することは、社会的に許されない」と語ったらしいが、もっと早く対処すれば、違った結果が出ていたかもしれない。

 今、読んでいるのは山田詠美の「風味絶佳」。「女の良いところがあれば、それを事実のままに伝える。それが褒めるってことなんだよ。男に対してだって同じだ。それを信条にすると世の中はなついて来る。」というくだりがある。世渡りの道具として、人を気持ちよくするために許される「嘘」の範囲があると思う。でも、船場吉兆の「嘘」は許されるものではなかった。

 従業員は全員が解雇されるようだが、ある程度年齢がいってからの再就職の厳しさは常に語られていること。憐憫の情を感じる。だけど、老舗の料亭だから、きっと接客に長けた従業員もいることだろう。そうした人たちは引く手あまたなのかな。

 本日朝いちばんに、全社向けに「新・人事制度」の説明があった。上昇志向は強くないわたしだけど、秀でたものがあるわけではないので、地道に実績を積み上げなくてはいけないなぁ。だいたいこの歳になると早々簡単に次の仕事は見つけられそうもない。とはいっても、自らを殺してまでこの職にしがみつくつもりはないけれど・・・(なんて書いたら怒られちゃうかな)

 船場吉兆廃業を告げている夕刊の片隅に、名古屋港の埠頭の一角に作られた「イタリア村」の破綻の記事が載っていた。テーマパークほど大きくなく、イタリアの料理や特産品を扱うお店がごちゃごちゃと配置された商業施設だった。開業3年が経ったことしになって初めて出かけたが、1度行けばもういいやって思ったわたし。きっと多くの人がそう感じたんだろうなぁ・・・。民間資金で社会資本整備をする「PFI」で作られたということだが、負債は170億円らしい。

 なんだか、将来に明るい希望や、あふれる期待を感じられない時代だなぁと思う。でも、粛々と淡々と日々を紡いでゆくことかなぁ・・・。きょうの心配はそんな大きな話ではなく、目のかゆみだったりする。

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