2008.06.03 できないヤツ
23時近くの山手線、代々木を出てもうすぐ新宿という時、けたたましい着信音が響いた。短い音だったからメールかと思ったのだが、目の前に立つ190cmくらいはありそうな背の高い男性が、その上背に似つかわしくない頼りなげな声で電話に出た。「うん、もうすぐ新宿だから・・・」。マナーモードじゃなかったことも問題だけど、すぐに新宿だってわかっているのだから、電話に出るかぁ? 電車を降りてこちらからかけてもいいだろう・・・。
その山手線の電車が池袋に着く。どっと階段に向かう人の流れに逆らって、高校生の男の子3人が階段を上ってきた。その狭間で人の流れがよどむ。「上り口」はこちら側って書いてあるだろう・・・。って、人の迷惑を顧みない彼らに言ってやりたい気分。実際には口に出す勇気(?)はないけれど。
そんな些細なことにひっかかるのには、退社の少し前に、社長と交わした会話が尾を引いていたのかもしれない。ちょうどスタッフの残業時間を計算していたときだった。仕事ができて時間内に結果が出せる人間と、能力がなくてか要領がわるくてか、時間内に仕事が片づけられなくて残業する人間、その断面だけをとらえると「仕事ができない人間」のほうが残業代がつくので実入りが多い。これっておかしいだろうという話だ。
長い目で見れば、できる人間は当然昇級も早く差はついていくのだろうけれど、最近は仕事のことはおいておいて、給料だとか残業がついたつかないを気にする人間が多いのはちょっと情けない気がするという趣旨の話し合いだった。なんだろうねぇ、意気に感じて仕事をする人間は過去の遺物になりつつあるんだろうか・・・と吐息。
やたら時間ばかりかかって・・・というのは、わたしのことかと思ってしまうが、じぶんに課せられた仕事なんだから、どんなに時間がかかっても、休日に出てきてでも、それを定められた期日までにキチンと仕上げるというのは、至極当然のこと。そのために睡眠時間を削るのは別段とくべつなことと思っちゃいない。「やりがい」を感じられるってしあわせなことじゃないか・・・なんてね。
でも、こんな「精神論」は通用しないんだろうなぁ。「古いよ」とか「おぢさんだから」って思われるんだろうな・・・。そんなおぢさんの味方(?)重松清のエッセイ集「うちのパパが言うことには」を読みはじめた。きのうの夜は、もう寝なくちゃという時間になってから、あとは結末だけを残すだけになっていた伊岡瞬の「いつか、虹の向こうへ」のページを開いた。横溝正史ミステリ大賞受賞作らしい。シチュエーションは、よくあるハードボイルドものだけど、社会の中で「弱い人」である人たちの不器用だけどやさしいところなども書き込まれていて、なかなかの読み応えだった。
そんなことをしていたので、きょうの午後の横浜での打ち合わせは、眠くて眠くて大変だった。なんどか、ふ~っと意識が遠のきそうになった。話がサーバの構成とかネットワークを介してやりとりするデータのレコード長だとか、ちょっと専門外の話が多かったことも、眠気を噛み殺すにはなかなかきびしいものがあった。そうした面にはくわしいKさんが横でちゃんと聴いてくれていると思っていたが、Kさんも眠気と戦っていたそうな。う~ん、これは偉そうなことは言えないな。
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» 大阪、名古屋、福岡だとかなり悲惨だな [残業「0」はイヤずら]
162 非決定性名無しさん sage 2008/04/10(木) 00:43:55 東京で30歳で月の平均残業時間が20時間程度だと 月給30万(8万円の手当てを加味)と仮定したら、 平均賃金=300000/161≒1863円 月残業代=1863*1.25*20=46575円 交通費を年10万ぐらいで、ボーナスを150万と仮定すると 年収は・・・... [続きを読む]
お世話になります。
私も歳をとったのか?古い人間なのか?
今の若者には情熱や熱意みたいな・・・、なんか意地みたいなものが感じられなくて残念です。
どうしてもやらなきゃいけない仕事をこなさない、明日は大事なセミナーを休む・・・、甘くみているかどうなのか?
そんな若い奴と向き合っていかないといけない現実・・・。
相手に変わってもらうなんて無理だから、自分が変わらないといけなんですよねー。
一番頭が痛いです。
投稿: bio | 2008/06/04 08:43
bioさん
古いヤツといわれようとも、仕事って単に報酬を得る
ためのものじゃないってことを教えていかなくちゃ
いけないんだと思うのですけれどね。
充実感のない生活ってじつにつまらないと思うし、
それが、刹那的な娯楽の中にしかない生活もまた
淋しいものだと思います。1日の生活の大半を占める
仕事の時間の中で、些細なことでもいいからつかんで
くれたれいいのになぁと思う毎日です。
投稿: pico | 2008/06/04 11:21