2010.02.28 雨のち晴れ
第4回東京マラソン。雨、気温5℃、荷物を預けてスタートラインに並んでからの40分、降りしきる冷たい雨にからだが芯まで凍える。巨大大会だからこの時間はしかたないけどなぁ。なんかデジャブ・・・。そうそう第一回大会もこんな雨降りだった。傘を差していると、「早く畳め」「外に出せ」と厳しく言われた第1回だったが、きょうはスタートまでとくにおとがめなしだった。だったら、持ってきてしまえばよかったと思ったが後の祭り。
走りはじめさえすれば徐々に温まってきて何とかなると、前回の経験則で思っていたのだが、練習不足でスピードを上げなかったこともあったし、冷たい風が吹き付けていたこともあって、一向にからだが温まらない。スポーツドリンクも水もとる気になれないくらい。
それでも15km過ぎの品川までは順調だった。歯の根があわなくなってガチガチ震えがくるようになったのが20km過ぎ。華やかな銀座の街並みも楽しめなかった。雷門の折り返しまではその状況が続く。少しでも中から温めなくてはとバナナやあんパンやらチョコを口にするが、それもなかなか功を奏しない。25km過ぎのトイレに並んだときは全身が震えた。救護テントから毛布にくるまった人が車に向かっていくのをみて、わたしも真剣にここでのリタイアも考えた。
でも、着替えはビッグサイトに運ばれてしまっているし、たぶん妻と長男が雷門近くにいてくれるはずだからと、ふたたび走り出す。練習不足が股関節と脚にきているので、ただでさえ短いストライドをさらに短くしてゆっくりと雷門をめざす。走り出してすぐ、私設エイドで「みそ汁」を配っていた。エイドには温かいものが何もないので、「ほんの一口程度だけど温まってね」という心遣いがうれしかった。
雷門を折り返してしばらくして妻と長男の姿を見つける。チョコを受け取り「予想タイムよりかなり遅れる」と伝える。気持ちの上ではこれを伝えたことでだいぶん負担が軽減された感じ。ここからさらにペースを落とし、心拍数を上げず、ふつうに歌が唄えるくらいのにこにこペースに切り替える。
この頃にはほぼ雨もあがり、からだが温まってくる。帰りの銀座は沿道の声援に応える余裕がようやく出てきた。築地を回って、佃大橋の上りにかかる頃から雲の切れ間から陽射しがのぞきはじめた。温かくなったからといって足が軽くなることはないけれど、気持ちはグンと前向きになる。沿道の応援やエイドのスタッフと手ぱっちんをしながら走るいつものわたしの走りが復活。ここからは4kmちょっと。ゴールタイムは4時間24分と予想から大きく遅れたが、お天気のように「雨のち晴れ」で終わりよければすべてよしの結果。4年8ヶ月の東京生活最後の日は、最後になって微笑んでくれた。
走り終え、すぐに着替えて、はじめて東京の走りを応援してくれた妻と長男とで、月島のもんじゃ。東京の納めにはちょうどいいかも。17時発ののぞみでひとまず名古屋へ。名古屋では大きな満月が迎えてくれた。あす3月1日朝、福岡へ飛び立つことになる。「雨のち晴れ」で送り出してくれた東京。あすの福岡はどんな顔で迎えてくれるだろうか・・・。