2012.10.07 夢じゃないよな
「えちごくびき野100kmウルトラマラソンから一夜が明けて、新潟県上越市から信越本線の各駅停車、長野からは特急しなのを乗り継いで、18時30分過ぎに自宅に帰ってきた。乗り換えの駅の階段もふつうに上り降りできた。朝、母の実家でいつものように6時30分に起きだした時、「あれ? 筋肉痛がない」とまずびっくり! もちろん、全身に心地よい疲労感はあるのだが、こと、100kmの道のりに酷使したはずの脚に目立った疲れを感じなかったのだ。ホントに5つの峠を走り切ったよなぁ・・・、夢じゃないよな?って確認したいくらいだ。
お天気は、ずっとくもり空で暑くもなく寒くもないという気温だったし(暗くなってゴールした人はちょっと寒くなったかも)、いとこたちの応援もメゲそうになる気持ちを踏ん張らせてくれたし、今回も最後まできちんと食べられたし、沿道の応援があたたかかったし・・・。
付け焼刃的に9月に走った40km超の練習では、いづれも30kmすぎはここでやめようとか、歩いちゃおうとか、後ろ向きになる気持ちとの戦いだった。距離に対してはまったくいいイメージのないままに臨んだ10年ぶりの100kmだった。20kmを過ぎ、30kmを過ぎ、フルマラソンでは壁となる35kmを過ぎても、とりあえず、足を止めたくなるような状態にははならなかった。いくらひとりきりの練習とは違うといっても、気持ちだけで脚がもってくれるはずはないと思い続けて走っていた。
峠道に入ったフルマラソン地点を4時間23分で通過。絶対このままじゃすまない、どこかでバッタリと足が止まるはずだ。それがとにかく少しで先であればありがたいと走り継いで行く。2つ峠を超えて51kmのトランジットが5時間15分。まだ、想定より速い。
今回、ウルトラを走るにあたって目標として決めていたことは3つ。
まずは「完走」すること。
2つめが、すべてのエイドでそのエイドの名物を完食すること
そして、3つ目が、すべての応援に「ありがとう」と応えていくこと
いとこたちは、はじめの予定よりも10km手前の3つ目の峠の上で待っていてくれた。従兄弟やおばの姿が見えたところからは、いいところを見せなくちゃとペースがぐんと上がる。テンションが上ったといえばそのとおりなのだが、見栄っ張りといえば、それも正解だ。
すべての峠を超えて平坦になったところが、母の実家のある「吉川区」。じつは、この平坦になって、道の両側がずっと田圃で(稲刈りも終わっていて景色はいいとはいえない)応援も望めないこのあたり(75kmくらい)からが、正直一番つらかった。エイドで一旦立ち止まると、もうその先走れないんじゃないかという思いになっていったのもこのあたりからだ。
そして、85kmを過ぎて海沿いに出てからの微妙なアップダウンが、峠越えに比べたらなんてことのない高低差なんだけど、これがまたいやらしいくらいにいじめにかかってくれる。そんな中にある92.5kmの最後のレストエイドの「海賊汁」は美味しかった。そばにあった椅子に腰掛けていただいたのだが、完食後、なんとかふつうに立ち上がれて、ふつうに走り出せた。「なんとかこのままもってくれ!」と心のなかで脚に呼びかけつつも、なんとかこのあたりで完走は確信に変わってくれた。じつは、このあとまたまた実にいやらしい上りが800mほどつづくのだが・・・。
2つめの目標だった「完食」も達成。給水だけのエイドも最後の97.5km地点を除きすべて立ち止まって補給は完璧だった。ここのエイドはコーラが用意されていたのもうれしかった。
3番目の目標もパーフェクトに達成。手パッチンもキチンとしてきた。そうそう20kmくらいだったか、かなり前半の方で、お寺の住職とも手パッチンをした。信心深いわけではないけど、これも完走に向けてのご利益になったのかも(かな?) 手や小旗を振ったり、あずきを入れたペットボトルを振って、にぎやかに応援してくれる人もいて、集落に入るのは楽しみだった。そして「ありがとうございま~す」と応えていくと、おばあちゃんたちからは「ごくろうさま」って声がかかる。好きなことをしているだけのわたしとしては、なんか申し訳ない気分になる。
11時間08分03秒 239位 今のわたしには上出来。100点満点どころか120点という成績。快く(?)送り出してくれた妻、苦しいところでの応援をつづけてくれたいとこたち、そして、大会の運営に携わってくれた3000人を超すといわれたボランティアのみなさん、沿道で、わたしたちのような市民ランナーをずっと応援して下さった上越のみなさん、すべての方に感謝です。
エイドの名物の画像などは、整理してから改めてアップします。すべてがうまく・・・なぁ~んて言ってて、あした筋肉痛なのかもな。
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