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2012/10/14

2012えちごくびき野100kmマラソン


 「えちごくびき野100kmウルトラマラソンから一夜が明けた朝、母の実家でいつものように6時30分に起きだした時、「あれ? 筋肉痛がない」とまずびっくり! もちろん、全身に心地よい疲労感はあるのだが、こと、100kmの道のりに酷使したはずの脚に目立った疲れを感じなかったのだ。ホントに5つの峠を走り切ったよなぁ・・・、夢じゃないよな?って確認したいくらいだ。

 お天気は、ずっとくもり空で暑くもなく寒くもないという気温だったし(暗くなってゴールした人はちょっと寒くなったかも)、いとこたちの応援もメゲそうになる気持ちを踏ん張らせてくれたし、今回も最後まできちんと食べられたし、沿道の応援があたたかかったし・・・。

 付け焼刃的に9月に走った40km超の練習では、いづれも30kmすぎはここでやめようとか、歩いちゃおうとか、後ろ向きになる気持ちとの戦いだった。距離に対してはまったくいいイメージのないままに臨んだ10年ぶりの100kmだった。20kmを過ぎ、30kmを過ぎ、フルマラソンでは壁となる35kmを過ぎても、とりあえず、足を止めたくなるような状態にははならなかった。いくらひとりきりの練習とは違うといっても、気持ちだけで脚がもってくれるはずはないと思い続けて走っていた。

 今回、ウルトラを走るにあたって目標として決めていたことは3つ。

 まずは「完走」すること。
 2つめが、すべてのエイドでそのエイドの名物を完食すること
 そして、3つ目が、すべての応援に「ありがとう」と応えていくこと

 2つめの目標だった「完食」も達成。給水だけのエイドも最後の97.5km地点を除きすべて立ち止まって補給は完璧だった。ここのエイドはコーラが用意されていたのもうれしかった。

 3番目の目標もパーフェクトに達成。手パッチンもキチンとしてきた。そうそう20kmくらいだったか、かなり前半の方で、お寺の住職とも手パッチンをした。信心深いわけではないけど、これも完走に向けてのご利益になったのかも(かな?) 手や小旗を振ったり、あずきを入れたペットボトルを振って、にぎやかに応援してくれる人もいて、集落に入るのは楽しみだった。そして「ありがとうございま~す」と応えていくと、おばあちゃんたちからは「ごくろうさま」って声がかかる。好きなことをしているだけのわたしとしては、なんか申し訳ない気分になる。

 11時間08分03秒 239位 今のわたしには上出来。100点満点どころか120点という成績。快く(?)送り出してくれた妻、苦しいところでの応援をつづけてくれたいとこたち、そして、大会の運営に携わってくれた3000人を超すといわれたボランティアのみなさん、沿道で、わたしたちのような市民ランナーをずっと応援して下さった上越のみなさん、すべての方に感謝です。

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5km 00:32:05

 曇り空。思ったよりも肌寒くないので、長袖のアンダーシャツの上にゼッケンをつけた半袖ランシャツを重ね着したけれど、完全に袖を捲り上げた状態で走っていく。4.2kmのはじめての給水は、ランナーが団子状態でスポーツドリンクの準備が間に合わない。ゆったりとした入り <6:25/km>

10km 00:29:30 01:01:36

 両側が田圃の中の道。晴れていれば正面から朝日が上るはずだったが、残念ながら曇っている。7kmを過ぎたあたりからゆるやかに上っている。まだランナーは団子状態。9.0kmのエイドでコーラを給水 <5:54/km>

15km 00:30:07 01:31:43 <エイド休憩 1分>

 13.2km 三和区総合事務所のレストエイドで、コシヒカリのおにぎりをいただく。まだ温かくて、ボランティアの「おかあ」のぬくもりを感じる。<5:49/km>

20km 00:28:44 02:00:27 

 18.0km 高士小学校のエイドでもコーラを給水。気づかないくらいにジリジリと上っている。<5:44/km>

25km 00:31:02 02:31:29 <トイレ休憩 2分>

 20.1km スポーツセンター前の給水ポイントでトイレを借りる。これまですべての給水を摂ってきているし、陽射しがないので汗をほとんどかいていないので、結構水分が足りているようだ。<5:48/km>

30km 00:33:53 03:05:22 <エイドでお蕎麦 6分>

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 26.1km 板倉区総合事務所のレストエイドで名物の「蕎麦」と山菜おこわのおにぎりをいただく。地元ケーブルテレビのインタビューを受けたりしていて6分ほどの滞在。<5:34/km>

35km 00:30:14 03:35:36 

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 34.3km 総合センター前のエイドでコシヒカリのおにぎりを手にしたら、ボランティアの中学生の男の子が漬物を食べろとつまようじに刺したものを顔の前に差し出してきた。彼のリクエストに応えて「あ~ん」と口を開けて食べてあげた。味は濃かったけれど美味しかった。<5:50/km>

40km 00:29:35 04:05:11 

 いよいよ峠への上りが近づいてきたこのあたりで陽射しが出てきた。暑くならないでいてほしいと願いながら走っていく。<5:55/km>

45km 00:36:26 04:41:38 <エイドでおぼろ汁 5分>

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 急な登りが始まったところで、40.5km 牧区総合事務所のレストエイド。「豆腐のおぼろ汁」をいただく。トイレ休憩もしてスタートする。道路に出た途端、笑っちゃうくらいの一気の上りが始まる。峠道の途中でフルマラソン地点(42.195km)、4時間23分で通過。想定より速い。43.9km 中条展望台までの4kmで240m登った。上り坂の随所に応援メッセージの書かれたカカシが立てられていた。いろいろ趣向が凝らしてあってついついニッコリ。山あいで応援の人がいないところだけにありがたかった。そして一旦急な下りに。1kmで80m下って45.0km 川上笑学館のエイド。ここでは名物の甘酒をいただく。<6:17/km>

50km 00:32:55 05:14:33 <エイドで甘酒 1分>

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 150mほど下ってふたたび100m上る。そして一気の下りになって130mほど下った坂の途中が50km。ふしぎなことにここまでとくに脚にトラブルはない。膝や足首に負担がかからないように気をつけながらの走り。この下り坂の走りが下手くそなのが情けない。<6:23/km>

55km 00:48:37 06:03:15 <トランジット 16分>

 51.0km トランジットのB&C海洋センター。この先寒くなることはないだろうと、長袖のアンダーシャツを脱ぎ、半袖ランシャツ1枚にする。豚汁とおにぎりをいただく。応援に来てくれるはずのいとこたちに途中経過のメールを入れる。折り返し、当初の予定よりも先に進んでいると返信が届く。もうすぐ出会うかもしれない。トランジットを出てすぐにまた一気の上りが始まる。<6:27/km>

60km 00:36:27 06:39:42 <エイドできのこ汁 3分>

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 130mの標高差を登って下って、58.5km生活改善センター前のレストエイド。きのこ汁が美味しかった。走り出す手前で中学生のボランティアの女の娘が冷たいタオルをくれる。流れるほどの量ではないが、若干は汗もかいているので、さっぱりして気持ちいい。このコースはエイドでホッとして走りだすとすぐに坂が待っているというちょっと意地悪な設定。4つ目の峠道の上りに入って1.6kmで150m近く登る。5つの峠越えでここがいちばんきつく感じられた。<6:41/km>

65km 00:33:41 07:13:23 

 60km過ぎ、きつい坂の頂上近くでいとこと叔母が待っていた。実はその直前のつづら折りの上りは少し歩いていた。ちょっと上りの角度が緩やかになって、再び走りはじめたところでの応援だった。坂の先に姿が見えたところからちょっとペースアップ。見栄っ張りの走りだった。この頂上から一気に200m下る。<6:44/km>

70km

 ほくほく線沿いに出て一旦平坦は走りが2kmほどつづく。うらがわら駅近くで国道から折れて集落の中に入っていくと道路脇に中学生の手ぱっちんの列が待ち構えていた。全員に応えて、元気をもらう。69.4kmの関門でおにぎりをいただく。アイシング用に氷を配っていたが、ここでもとくに脚にトラブルは出ていないので、そのまま走り出す。すぐ先にあったはずの70km表示を見落とす。朔日峠への上りにかかるところで、背中から「伊藤さん頑張って」の声援が聞こえる、振り返るとオバチャンたちがプログラム片手に応援してくれていた。ゼッケンを見て急いで調べてくれたのだろう。うれしかったけど、かなり坂を登ってからだったので、振り返って手を振ったものの、ちょっと苦笑い。

75km 01:05:04 08:18:28 

 朔日峠への上りは2kmで100mくらい登る。ここまでの標高差に比べると大したことはないが、峠の直前のつづら折りは歩いて登った。視界がひらけてまっすぐの上りになったところのエイドで給水して、再び走りだすと、いとこたちが待っていてくれた。ここでも歩いているところは見せないで済んだ(苦笑)。<6:30/km>

80km 00:36:36 08:55:04 <トランジットで蕎麦 8分>

 峠を越えると母の実家がある吉川区、峠道が終わって、平坦になったところからは、JRの駅から車で走ったことのある道。大体の距離感がわかるので気分的に楽だとも言えるが、両側がずっと田圃で集落も道沿いにないので、応援が期待できず、精神的に辛いところ。ランナーもばらけてきて、背中を追う展開もなかなか期待できない。脚も、さすがにここにきて痛いところはまったくないものの、エイドで立ち止まったら、もう走り出せないかもしれないというような感覚がひろがってきた。

 78.8km 吉川区総合事務所のトランジットでは、「愛知県から参加の伊藤さん」とアナウンスで迎えられる。ここでは蕎麦をいただく。いとこと叔母とことばを交わしていると、ここでも地元ケーブルテレビがやってきてインタビューを受ける。何やかやで8分ほど滞在。<5:43/km>

85km 00:33:01 09:28:06 

 このあたりも知っている道。平坦なのはいいが、集落が途切れると途端に応援がなくなるし、景色にも見るべきものがない、脚はますます重くなってきているし、給水のコーラにも飽きてしまったし、我慢のしどころ。国道8号線の信号で立ち止まると、再び走りだせるか、ふと不安になるが、横断歩道の信号が青になった瞬間に無事動き出せた。国道を渡ったところが85.0km。「あと15km」と思おうとするが、「まだ15kmもある」としか思えなかった。<6:36/km>

90km 00:32:58 10:01:05 

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 85.4km 柿崎区総合事務所のエイドは、ボランティアの中学生たちがとても元気。大きな声の声援を受けて気持ちを新たに走り出せた。ここでもおにぎりをいただく。しばらくJRの線路に沿って走ったあと、右に折れて海寄りに進路を取る。曇っているので暗くなるのが早い。海に近いはずなのに景色はイマイチだし、脚は重くなってくるし、ランナーはとぎれとぎれになるし、テンションが下がりはじめる。<6:35/km>

95km 00:35:08 10:36:04 <レストエイドで海賊汁 5分>

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 90.4kmのエイドでオレンジとバナナを補給。コーラはもう飲み飽きてしまって、ここではお水を給水。すぐ先の角を右に曲がってリゾートホテルの前を抜けると目の前に日本海が広がった。お天気が良ければ、沈む夕陽がきれいらしいがきょうは曇っているし、そもそもこの場所で夕陽を眺めていては制限時間に間に合わない。堤防の上でいとこたちが手を振ってくれている。その前を通り過ぎる時は笑顔で拳を突き上げて走り抜ける。落ちていたテンションがぐんと盛り返す。

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 92.5km 大潟老人福祉センターのレストエイド。ここでは名物の「海賊汁」をいただく。休憩テントにあったイスに腰かけて食べたのだが、なんとかすっと立ち上がれて、無事走り出せたので、ここでようやく「完走」をイメージできた。

 交通整理のボランティアの人が「これが最後の上りですよ」という800mほどのいやらしい坂を登り切って、大潟小学校の前のエイドが95km。久しぶりにコーラを口にする。ここまでくれば「あと5km」と素直に思える。<6:01/km>

100km 00:31:59 11:08:03 

 再び国道8号線を横断。ここの信号待ちのあともすんなり走り出せた。北陸自動車道の下をくぐり、ほくほく線の高架下をくぐり、またまた田圃の中で単調になった景色の中を足もとに気をつけて走っていく。歩道などの小さな段差ももう結構あぶない存在だ。ここまですべてのエイドに立ち止まってきたけれど、もう飲み物はいらなかったし、走りを止めるのがもう怖かったので、97.6kmの最後の給水エイドは、感謝の言葉だけかけて通過。
 県道を横断してゴールの「きぼう館」への道に入ると、両側に応援の人垣ができていた。ゴールの手前にはレッドカーペットが敷かれ、ゼッケン番号と名前がアナウンスされる中、ちょうど前後の間隔が開いていたので、きっちりゴールテープを切らせてもらった。先回りしたいとこたちも笑顔で迎えてくれた。たぶん、わたしも笑顔を返せたはずだ。

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 すぐにボランティアの女の娘が完走メダルをかけてくれる。これが結構ずっしり重いものだった。そして、近くのベンチに誘導され、2人の中学生の女の娘が両側からシューズのチップを外してくれた。これって、ゴール後、脚が棒状態になっている時は結構辛いこともあるんだよね。

 ボランティアを中心に「心遣い」のとてもあたたかい大会だった。2年に1回の開催で、次回は10回記念大会だそうな。59歳か・・・たぶん、まだ走れるよな。絶対、帰ってこよう。って思っている。

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