きのう26日日曜日は、全国各地でマラソン大会が多く開催された日。ランニング仲間も大阪マラソン(行きたかったなぁ・・・)や大井川マラソンといった人気のフルマラソンに参加していたし、名古屋でも男子も含めた市民ランナーが走れる「ナゴヤアドベンチャーマラソン」が開かれていた。このアドベンチャーマラソンには、フル・ハーフ・10kmがあって、ここにも多くの仲間がエントリーしていた。わたしは、この大会のボランティアスタッフで走路誘導員を担当。ランナーの誘導をしながら、駆け抜けていく仲間を応援することができた。
夜は、走った仲間にボランティアスタッフを一緒にした仲間が集っての打ち上げ。わいわいがやがや大いに盛り上がって、結構飲んでハイになったわたし。わたし自身はまったく走らなかったけれど、まるまる1日「マラソン」に関わり続けた日曜日だった。
そんな1日を過ごして、ちょっと「思うところ」があって、本日は雨があがっていたけれど走りには出なかった。
きのう、ボランティアスタッフで走路誘導員をしていたのは、フルマラソンでいうと往路の11km、折り返してきた復路では38km過ぎという場所だった。スタートから4時間半くらい経った頃、そこにやってきた一人のランナーが突然「ここでリタイアします」と声をかけてきた。聞けば「脚がもう言うことをきかないので」ということだった。
そのランナー、ルールに沿ってゼッケンを外したのだが、その時点で制限時間まで1時間半を残していたので、コースを歩いて帰っても完走証は確実にもらえたはずだった。両脚が痙攣したんですと言っていて、リタイアを認められたあとは、堤防をコースとは反対側の一般道の方に降りていったのだが、たしかに石段を降りていく姿はつらそうだった。でも、じぶんで歩いていったのだから、だましだましコースを歩いて戻って、「完走証」をもらうことは十分できたと思う。
そのあと、制限時間が近づくにつれて、口も聞けないくらいにボロボロの状態のランナーや、脚を引き摺っているランナーが増えてきて、続々とゴールへ向けて歩いていった。おそらく、彼らはきょうゾンビみたいな歩き方をしつつも、その筋肉痛を「がんばった証」みたいに思って、じぶんでじぶんを褒めているかもしれない。でも、もしかしたら故障しているかもしれないし、からだを壊しているかもしれない。少なくとも、「がんばった」とは思えても「楽しかった」とは思えなかったはずだ。
お昼ごはんを食べている時にチラッと見た「ミヤネ屋」では、運動音痴の女子アナが大阪マラソン完走を目指すのを採り上げるというお決まりの企画の「本番編」を放送していた。仕事に戻る時間もあったので、最後まで見られなかったが、途中まで想定タイムよりかなり速いペースで30kmを通過したものの、「気持ち悪い」と言いはじめ、側溝に嘔吐していた。その後「感動のゴール」を遂げたようだが、これって、嘔吐するような状態になった段階でレースを取りやめるのが当然の判断だったんじゃないだろうか。こんな風にして精神力とか根性で走りきったことを「感動のゴール」なんて持ち上げるものだから勘違いするランナーが多くなるんだろうな。
先ほど書いた「いさぎよく」リタイアしたランナーと、たしか往路はかっ飛んでいったはずというランナーがとぼとぼ歩いて戻ってきたランナーの対比から感じていた「思うところ」というのは、たとえ、失敗レースに終わったとしても、結果をじぶん以外のなにかのせいにしてしまうのはマラソンに失礼だと思ったということ。折しも、きのうは暑くなった大阪や大井川ではリタイアしたランナーも多かったようだけど、それを「暑さ」のせいにするのはちがうなっていうこと。
そして、常々言っている「楽しく走り終える」ためには、体調も気持ちもきちんと整えた上で、真摯な姿勢でマラソンに向き合わないとダメだってこと。マラソンをなめてちゃいけない。で、けさ走らなかった(たぶんあしたも走らない)のは、しばらく走っていくと麻痺して気にならなくなるからと、だましだましで走ることを優先してきた下腹部や股関節の不調に、ちゃんと向きあおうと思ったからだ。あしたにも病院に行ってキチンと状況を調べて、しかるべき対応を考えようと思っている。
もうひとつ「思うところ」があって、これは前々からきになっていたことだけど、応援してくれる人、走らせてくれている人に感謝できない「自己チュー」のランナーも結構目立ったということ。「ナゴヤアドベンチャーマラソン」のコースは河川敷を中心としたコースで、幅が広くない。折り返しコースだから、そこを往路と復路のランナーが一緒に走ることになる。
わたしのいた場所は、復路のランナーにとっては、堤防道路を横切って河川敷にくだる坂にはいるところ。左側通行になるように、道路の真ん中で両手を広げて、往路のランナーと復路のランナーが交錯しないように誘導しているのに、少しでもショートカットしようということなのか、往路ランナー側のほうへ突っ込んできて、わたしのすぐ目の前を走り抜けていく「危ない」ランナーも結構いた。
そして、一応の交通規制はしている堤防道路だが、どうしても通らざるをえない配送のトラックなどが、まれに入ってくる。ほとんどのケースは、ガードマンがトラックの方を止めて、ランナーの途切れるタイミングを待つのだが、これまたまれにランナーのほうを止めたことがあった。その時、「ちっ」という舌打ちや、「えっ、なんだよぉ」という声が聞こえた。トラック1台通すだけの時間って30秒にも満たないんじゃないかな。それくらいのことも我慢できないんだろうかって、残念な思いがしたものだ。
なんだかとっても偉そうなことを言ってるみたいで、小心者のわたし(?)としては、胸が痛むのだが、やっぱり「走れること」「走らせてもらえること」に感謝する気持ちと姿勢だけは絶対に忘れないでいたいと思うのだ。
で、あしたの朝も走らない予定。ぐんと冷え込みそうなのでちょっと残念だけど、ここは「思うところ」に添っていこう。