2泊3日の「富士五湖チャレンジウルトラマラソン」ツアーから帰ってきた。きょう河口湖町を出てくるとき雨が降りはじめた。きのうのレース中に少し小雨がぱらついた時間もあったけれど、前日の土曜日にも、そしてきのうも朝と夕方にはくっきりと富士山も見られたし、お天気に恵まれた大会参加ツアーだった。往復のドライバーだったNさんには、きょう静岡県に入ってからずっと続いた大雨の中の運転もしていただいて申し訳ないかぎり。わたしは、ただ乗せてもらっているだけで、ほんと楽をさせてもらっちゃったし。
マラソンはウルトラも短距離も、そのすべてが「じぶんひとり」でするスポーツだ。野球やサッカーのように人を集めなくてもいいし、広いグラウンドも必要としない。そしてテニスや卓球のように相手も必要としない。だけど、今回は、一緒に大会にエントリーしていた仲間たち、そして、自分は走らなないのに、宿泊やら食事やらと諸々準備とサポートをしてくれた仲間、さらには、わざわざ応援のためだけに富士五湖まできてくれた仲間たち。今回は、そうしたみんなのサポート、後押しがあっての完走だなって思っている。やっぱ、仲間がいるって楽しいしありがたい。
「富士五湖チャレンジウルトラマラソン」100kmの部は、厳密には本栖湖までいかず、富士北麓公園~山中湖~河口湖~西湖~精進湖と4湖を周るコースだった。コースの高低図から、5つの峠越えがあるえちごくびき野よりは御しやすいコースと想像していて、実走時間はkm6分で、エイドの休憩、トイレの時間を全部で1時間見込んで、ざっくり11時間という目標タイムをイメージしていた。
スタート前、夜明け前の空に少しずつ大きな富士山の姿が浮かび上がってきたのに見送られたこともあってか、スタートから50kmまではじぶんで言うのもなんだけど、絶好調だった。手元のGARMIN(GPSウォッチ)が1kmごとにバイブして距離とラップタイムを表示するのだが、「えっ、もう1km過ぎたの」という感覚。これは意外に速いタイムでゴールできそうってちょっと欲を掻いていたくらい。
50km過ぎて、心肺的には問題なく、どこかが痛いとかいうわけではないのだが、脚がでなくなってきた。スタートは4時45分だったこともあって寒さ対策で着ていた、ウォームタイプのアンダーシャツが暑いのかもしれないとか、ガス欠なのかもとか、いろいろ考えたが、よくわからないまま、河口湖畔から西湖への上り坂をあえぎながらも何とか走って登っていったところに、ランニングクラブの仲間の中で「娘」と思っている(そう呼ばせてもらっている)娘たちがいた。これにはほんとにびっくりしたし、うれしかったし、めちゃめちゃ元気が出たなぁ。長居をすると泣けちゃいそうだったので、プチトマトをもらい、手描きのメッセージのシールをシャツに貼ってもらって走りだしたが、いやぁ、まいった。
その先63km(帰りの78km)にもサプライズで2人仲間が応援してくれていて、この往復での応援もまた、すごい力になった。このサプライズ応援が、今回も「ウルトラは復活する」というジンクスを現実のものにしてくれたのかも。サプライズではなかったけれど、バイクで、あるいはクルマで移動しながらあちこちで応援してくれた仲間の存在も大きかったな。
計算をするなと思っていても、残りの距離とコースから目標に届くかどうかというのはなんども考えてしまう。途中まで諦めていたのだが、最後の95kmから3km近く続く上りを思うとキツイよなぁと思いつつ、80km~90kmあたりまでは、これなら目標のサブ11(11時間以内)が見えてきたと思っていた。
95kmのエイドを出るとき、ここからの坂を走れたらサブ11だと計算はできていた。上り坂にかかったところで、またまた娘たちの応援をもらう。もう夕方近いから帰っていったのだろうと思っていたから、ここはふたたびのサプライズ。涙がでるほどうれしくて、娘たちとハグして元気をもらって、長い坂に挑みはじめたのだが、残念ながら駆け上がる脚は売り切れていた。
なんども「サブ11」と頭は命じるのだが、少し走っては耐え切れず歩き出すということを2~3度繰り返したあと、登り切ったあとの2kmの下り、とくにゴールの北麓公園の手前1kmくらいからの急な下り坂を気持ちよく駆け下りるために、脚を温存というふうに気持ちを切り換えた。で、その狙いどおり、ラストの2kmは快適な走りができて、結果は11時間4分44秒と、惜しいといえば惜しいのだが、終わりよければすべてよしで、めちゃめちゃ気分よく100kmを終えられた。もともとの目標だった「還暦でウルトラを完走」「笑顔でゴール」「明るいうちにゴール」はすべて達成の満足のゆく100kmだった。きょう発表になったリザルトによると、完走1055人中、総合232位だった。これにも満足だな。
画像はスタート前の元気なところ。今回、誕生日に次男たちからもらった「還暦」と描かれた赤いTシャツを着て走ったので、見ず知らずに人からも「還暦、がんばれ」とか「還暦、ナイスラン」とか、たくさん声をかけてもらった。これもうれしかったなぁ。
大会全体にはちょっと不満があるかな。コースはさすがに25回も続けているだけあって、非常によく考えられているなと思う(ことし変更になった点もとても理解できる)。ただ、評価が高いエイドは、わたし的には食べ物の種類も少ない(とくにお腹にたまるもの)と感じたし、スポーツドリンクが少ししかなかったこともマイナスかな。そして一番気になったのがトイレの少なさと、案内の不足かな。仮設トイレが少ないのは、湖畔の無料駐車場にある公共のトイレなどを使ったりすることで補おうとしているということはわかったが、そのトイレがどこにあるのかがわからなかった。あと◯kmとか、この先公園の中へ50mといった表示はほしかったところ。これもマイナス評価だな。
でも、トータルでは、景色も天気もじぶんの走りにも満足できたからかなりのプラスだけどね。
とりあえず、筋肉痛はなく、けさもスタート・ゴールの北麓公園まで3.5km上り、帰りは駆け下るという朝ランもできた。調子に乗って下りを4:35/kmで走るというおバカさんぶりも出してしまったけど、まぁ、ちょっと度が過ぎた「ほぐしラン」ということで。
帰ってきて3時間ほどお仕事。あしたはこの雨も上がるようだけど、朝ランはしない予定。今夜もぐっすり眠れるはずだ。