2021.08.10 わがまま
オリンピック閉幕を受けて各社が実施した世論調査で、開催してよかったと答えた人が60%を超えている。一方で、菅内閣の支持率は過去最低を更新している。メダルラッシュを支持率好転につなげようという政権の浅はかな目論見はみごとにはずれた格好だ。
IOCのバッハ会長が、きのう「銀ブラ」をしていたらしい。たしかに入国後の行動が制限される14日間はとうに過ぎているけれど、選手たちには観光や買い物のための外出を禁じていたというのに、これってどういう了見なんだろう。そして、もっとダメなのが、丸川オリンピック担当大臣だ。きょうの会見で、この問題について「不要不急の外出かはご本人が判断すること」と語ったんだそうだ。
西村経済再生担当大臣は、お盆の帰省を控えろと言っているし、帰省しても親族が大勢集まるようなことはするな、同窓会などは開くななどと、事細かに行動の抑制を呼びかけている。にもかかわらず、「不要不急の外出かはご本人が判断すること」って言っちゃうのはありえないなぁ。ここは、たとえ相手が誰であれ、「銀ブラは不要不急だ」ってはっきりいうべきだ。忖度したんだかなんだかわからないけど、これを言っちゃったら、国民誰しも「本人の判断で出歩いていいのね」って思うに決まってる。以前にも書いたけど、この人大臣の器じゃないよね。
メダルを逃したことで、SNSで散々叩かれた瀬戸大也が、インスタグラムを更新して大会への思いを語っていた。「母国開催での金メダル獲得に向けて死に物狂いで夢を追いかけた時間、待ち望んでいた2020年からの1年延期、そして夢を叶えることはできませんでした。でも、この時間は無駄ではないしその中でもやるべきことはやりきれました」と完全燃焼したことをつづり、「人生において素晴らしい経験をさせて下さったこと、そして沢山の方々のサポートがあったからこそ開催して頂けた東京オリンピックに心から感謝しております。本当にありがとうございました!!」と感謝の気持ちを述べている。
べつに個人的に彼を嫌っているわけではないが、練りに練られたいかにもということばたちには、作りものっぽさを感じてしまう。直前まで長野県の高地で合宿を行うという異例の調整をしてみたり、予選で「流して」決勝に進めなかったりと、「わがまま」を貫いたことで結果が出せなかったことにどうして言及しないんだろうなぁ。自信を持ってやったことだろうから、そこはきちんとじぶんの中で検証しないとな。同じインスタ投稿の中で「パリ五輪までの3年間で今回足りなかった所を補って次こそは夢を叶えたい」と語っているんだから。
先日も書いたけど、スポーツってだれかのためではなく、みずからを極める、しかも楽しく。というものだと思っている。そのためにはわがままであっていいと考えているのだけど、そこから生じた結果については、じぶんの中でしっかり落とし前をつけなくちゃね。今回のオリンピックをもって引退すると宣言し、退路を断ってレースに臨んだ男子マラソンの大迫傑もまた、日本陸連からしたら扱いにくい「わがまま」なアスリートだったと思う。
でも、最後と決めたレースでは、スペシャルドリンクのテーブルごとに帽子を置いておいて、都度新しいものをかぶるようにしていたなど、暑さ対策は万全だったし、2位集団を追わないことを冷静に判断したのも、従来の「根性論」でくくられるマラソンランナーとは一線を画していたしね。15秒前をいく2位集団をどうするのか、じぶんのからだの声にずっと向き合ったラスト3kmだったと思う。おそらく「死ぬ気」でいけば、追いつけるだけの走力はあったはずだ。でも、追いついてくることに気づいた2位集団がペースアップしたら、追い上げるのに使った脚が無駄になる。場合によっては、そこで脚が売り切れたことで、7位8位の選手に追いつかれてしまうかもしれない。もっと言ったら、ゴール直前で倒れてしまうかもしれない。そんなことを冷静に考えていたはずだ。
昔ながらの考えでいえば、「これが最後なんだし、玉砕覚悟でメダル争いに加われ!」ってところなんだろうけど、それをしなかった大迫傑のいい意味の「わがまま」がいいなぁ。赤レンガの北海道庁の旧庁舎を過ぎたところで、はにかんだような笑顔が見えたような気がするのだが、ここがメダルをあきらめた瞬間だったんだろうな。それまで20秒くらいだった2位との差は、ゴールしたときには43秒差になっていた。
下の孫がきのうの夜、ちょっと熱をだしたらしく、けさには平熱に戻っていたようだけど、大事をとってきょうは幼児園をおやすみするということで、きょうのじ~じとば~ばの「おしごと」がなくなった。おしごとがある前提でけさも5時起きで6時20分から朝ランしてきたんだけどね。
けさは、西から乾いた風が吹き込んでいて、熱帯夜にならなかったこともあって、ぐっすりと眠れたし、走り出した時の気温が26℃台で、帰ってきたときも28℃くらいと低めだったこともあって、ここ最近ではいちばん気持ち良いランニングだった。もちろん気持ち良い=速く走れたというわけではないけれどね。
<13.7km 6:09/km 53.0kg 15.1% 平均心拍数126 36.4℃>
お昼頃、天頂に向けて雲の写真を撮ったら、なんと彩雲が写っていた。夕方の空には、秋を思わせる雲も浮かんでいた。気温的には32.4℃まで上がって真夏日だったきょうだけど、風が通るわが家は快適。もちろんエアコンの出番などまったくなしだった。あすの朝はおなかにタオルケットがいるかもな。
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